映画ごった煮ブログ

【雑記】レンタル店の魅力は宝探しの感覚にあり!

近年、Netflixを始めとした動画配信サブスクリプションが流行っていますね。

レンタル店では宅配レンタルや借り放題などのサービスを打ち立て、サブスクへ対抗する動きも見られます。

しかし、個人的にはそんなことをしなくてもレンタルショップにはレンタルショップの魅力があると思います。

今回は、そんなレンタルショップの魅力について書いていきます。

 

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レンタルショップで映画を借りる魅力、ズバリそれは数多くある作品からの宝探し感覚にあると思います。

いくつも並べられたパッケージ、ほとんどが背表紙しか見えない中からタイトルだけで作品を探すワクワク感。時には期待ハズレということもありますが、それも一興。「こんな作品もあるのか!」と楽しむこともできます。

 

たしかにサブスクでもランダムで偶然出会うという現象はあるかもしれません。

しかし、サブスクではパッケージを見ると同時に作品の謳い文句や評価が見えてしまいます。

そうなると、せっかくの宝探し感覚が台無しに。なにより、関連作などから次の動画を引っ張ってきたりするので「自分で見つけた!」という感覚が薄まってしまいます。

私としてはこれほどまでの悲劇はありません。宝探しに場所を知っている案内人を付き添わせているようなものです。

 

せっかく映画を見るのだから、見る前から楽しみたい、それは映画ファンとして当然のこと。

だからこそ、レンタルショップを使い、その見る前からのワクワクを高めておきたいですね。

【雑記】『ゴジラvsコング』が延期に!公開は8月かも……!?

先日、4月30日、日本での『ゴジラvsコング』の公開延期が知らされました。
アメリカ本国や香港などでは既に公開され、全世界興行収入は4億ドルを突破。これはコロナパンデミック以来、公開された作品では記録的な興行収入を記録していたとか。
日本では『モンスターハンター』以来のビッグタイトルであっただけに残念でなりません。


そうなると気になってくるのが、いつになれば公開されるのかです。
タイトルにも書いているので引っ張る必要もないので明かしてしまうと、個人的には8月頃ではないかと思います。
そうした理由に至ったのは、2つの傾向を見ての結果から。


まず、1つ目は他の国との関連。
冒頭でも書いたように、アメリカや香港などの国では本作は既に公開されています。
他にも、イギリスやイタリアなどではオンライン配信によって公開するといった動きも見られています。
そうした中で、ゴジラの生まれた国でもある日本がいつまでも公開しないというわけにはいきません。


と、まあそれは精神論的な話。
しかし、他作品を見てみると傾向としてもそれは現れています。
例えば、去年(2020年)の作品で、大々的に宣伝を行っていたビッグタイトルで半年以上、本国から公開が遅れた作品はありません。
ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』、『TENET テネット』、『ワンダーウーマン 1984』など、1,2ヶ月の差はあれど、全て本国からそこまで遅れることなく公開されているんですね。
一番遅れている『透明人間(2020)』でも、およそ5ヶ月遅れで公開をしています。
トップガン』や『007』、『ブラック・ウィドウ』などは、そもそもどこの国でも公開延期ですから今回の傾向には含めていません。


しかし「緊急事態宣言による遅れじゃないか」と言われると、話はまた別になるかもしれません。
そこで調べてみると、結構いい例がありました。『2分の1の魔法』です。
こちらアメリカでは、2020年3月6日に公開、日本では13日に公開予定でした。
しかし、コロナの影響により、公開延期に。この半月後には緊急事態宣言が発令されることとなりました。
で、その『2分の1の魔法』の延期先が8月21日でした。きっちり半年以内の傾向にもハマっています。


こうした、他国との傾向を過去1年間の作品と見比べたというのが1つ目の理由です。




さて、こうした傾向を見てこう思う方もいるかもしれません。「別に6月や7月でもいいじゃないか!」と。
たしかにそうなのですが、6月、7月では競合相手がネックとなります。
例えば、6月には今話題となっている『るろうに剣心』の最新作が4日に公開予定。
じゃあ、7月はというと、9日から『ブラック・ウィドウ』が、公開予定です。
まあ、8月にも13日から『フリー・ガイ』というビッグタイトルが待っていますけど……


「逆に9,10,11月ならどうだ!」というのも考えたのですが、そうなるとあまりにも先延ばしにしすぎている間がありますし、他作品の延期が流れてくる可能性もあり得ます。
なにより、今年公開予定とされている『トップガン』、『007』がこの辺に来るとバッティングする可能性も出てきます。(てか、この2作は配給が東宝東和、『ゴジラvsコング』は東宝が配給なのでバッティングは意地でもさせないでしょう)
そうしたことを考えると遅くっても9月頃には公開に踏み切るのではないかと考えられます。


こうした傾向を踏まえて私個人の出した結論は8月6日(金)に公開するのではないかと予想してみます。
子供も見るという夏休み需要を踏まえて8月中に公開しそうですし、13日からの『フリー・ガイ』に先行する形で公開するのは興行的にも悪くないかと思います。(そもそも『フリー・ガイ』は本国公開がどうなるか不明ですし)
あとは、コロナの影響によりけりなのでこれはもう時期がこないと分からないですね。




というわけで、延期になってしまった『ゴジラvsコング』の延期先について色々と私的な考えを書かせてもらいました。
正直、予想は外れててもいいから1日も早く鑑賞したいです。
色々と想像を膨らませてワクワクしながら待つことにしましょう。

【雑記】ゴールデンウィークの5日間に見たい映画5作品セット!

いよいよ明日5月1日からゴールデンウィーク(GW)に入ります。(既に入っている人もいるのかも?)
しかし、今年は自粛ムードも漂っており、映画館にも行きづらい(もしくは行けない)状況です。
そこで、今回はGWにお家で見たい映画をチョイスしてみました。


で、本来ならGWをテーマにした映画でも紹介したかったのですが、GWは日本独自の文化ですし、それをテーマにした映画なんてたぶんありません。
そこで目を付けたのが、GWが5月1日~5日の5日間であるということ。5作セットで紹介すればいいじゃないか!
ということで、テーマごとに1日1本みたい映画をご紹介。ゆるーいスケジュールで見られます。




①5部作を攻めてみる
5作をセットするのに一番安定するのはシリーズを攻める方法です。
しかし、考えてみると5部作なんて結構レアな気がします。
敢えて挙げるなら『トランスフォーマー』シリーズや『ジュラシック・パーク(ワールド)』シリーズが、旧シリーズを含めて現状5作品となっています。
きちんとシリーズとして終わっている作品としてパッと浮かんだのは『バタリアン』シリーズ。
あれ、1作目くらいしか話題になっていませんが5作目まで続いてたんですね。
他にも『エルム街の悪夢』や『ハロウィン』シリーズが5部作くらいかと思ってたのですが、それよりずっと多かったので驚きました。
(『エルム街の悪夢』は7作+外伝+リメイク、『ハロウィン』は8作+別物色々があるようです)
この中で見るなら断然『ジュラシック』シリーズを押したいですね。最終作の『ドミニオン』も2022年に公開予定ですし。
あとは、『スパイダーマン』シリーズ(トビー・マグワイア版、アンドリュー・ガーフィールド版)のはしごもありかも。もしかしたら最新作とリンクする噂もあるわけですし。
5部作というのは難しくても、シリーズをつなげることで楽しむという方法はありかもしれませんね。

②「Amazonプライム・ビデオ」でしか見れない5作品を見る
もしも、Amazonプライム・ビデオに加入している、もしくは加入予定の人ならAmazonが製作に携わり、他のサブスクでは見られない作品を見て優越感に浸るのも手です。
そこでAmazon限定で見られる作品でオススメ作をチョイス。

サウンド・オブ・メタル -聞こえるということ-
第93回アカデミー賞でも話題をかっさらい、作品賞では『ノマドランド』の対抗馬でもあった作品。
耳が聞こえなくなるドラマーの物語を斬新な演出の数々で表現。
リズ・アーメッドの演技力の高さにも驚かされる見るべき一作です。

トゥループ・ゼロ-夜空に恋したガールスカウト-
Amazonが配給として関わりながらも配信のみにした初めての作品なんだとか。
主演には、演劇界の三冠王ヴィオラ・デイヴィス。(アカデミー賞トニー賞エミー賞を全て持っています)
ガールスカウトの大会で子供たちを優勝に導く役を演じています。
ガールスカウトの中にはマッケナ・グレイスの姿も。

ジョナス・ブラザーズ 復活への旅
ニック、ジョー、ケヴィンの三兄弟からなる実在するバンド"ジョナス・ブラザーズ"
2005年に結成した彼らは2013年に一度解散。その後2019年に再結成を果たしました。
彼らはなぜ解散し、再結成をしたのか、その秘密を楽曲を交えつつ描いた作品です。

・7500
ジョセフ・ゴードン=レヴィットが主演。(それだけでも魅力的)
彼が扮する副操縦士が操縦室に押し入ろうとするテロリストたちと心理戦を繰り広げる作品です。

・シャークウォーター 滅びゆく捕食者
サメ映画では悪党にされがちなサメたち。
そんなサメたちが目の当たりにしている現実問題を説いたドキュメンタリー作。


③「Netflix」でしか見れない5作品を見る
個人的な好みでAmazonプライム限定作を先に紹介しましたが、サブスクと言えば「Netflix」ですよね。
そんなNetflixからオススメの5作品をご紹介。

・Mank/マンク
監督デヴィッド・フィンチャー×主演ゲイリー・オールドマンという超ビッグなタッグ。これだけでも見たくなります。
市民ケーン』の脚本家として有名なハーマン・J・マンキーウィッツの知られざる過去をゲイリーが好演。
モノクロ表現も時代の雰囲気にマッチしていて「映画って素晴らしい!」と思える一作です。

・ROMA/ローマ
メキシコシティのローマで暮らす一人の少女とその"家族"にフォーカスした作品。
繊細で美しいモノクロの映像が見せるローマの風景は、作品の世界観とマッチ。
監督であるアルフォンソ・キュアロンは、製作、脚本、編集、撮影を兼任しており、触れれば壊れてしまいそうな世界観を見事に調和させています。
「面白い!」と声を大にする作品ではないものの、「映画とはなんたるか」の片鱗を感じられる作品です。

アイリッシュマン
マーティン・スコセッシ監督にロバート・デ・ニーロアル・パチーノと、80年、90年代を思い起こさせる作品。
過去や現在を通して、裏社会の実情を描いた内容は刺激的。
デ・ニーロ、アル・パチーノジョー・ペシを加えた演技合戦は、1分たりとも目が離せません。
『ヒート』や『タクシードライバー』、『アンタッチャブル』など往年のヒット作を思わせる一作です。
210分という長編さもあって時間のあるときに見たいですね。

・マ・レイニーのブラックボトム
実在し、「ブルースの母」とも呼ばれた歌手マ・レイニーの物語を映画化した作品。
マ・レイニーを演じるのは、ヴィオラ・デイヴィス
持ち前の歌唱力をこれでもかと発揮した力強い姿には圧倒されるばかりです。
また、本作はチャドウィック・ボーズマンの遺作でもあります。
文字通り命を削るかのような演技は、引き込まれ、感動させられること間違いなし。
今だからこそ見たい感動し、考えさせられる一作です。

・オクトパスの神秘: 海の賢者は語る
第93回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞し、話題となった作品。
1年間に渡りマダコと接触を続け、芽生えるハズのない友情を見いだそうとした男クレイグ・フォスターを追ったドキュメンタリーです。
映像は然ることながら、展開もタイトルにあるように神秘的。

④テレビで楽しむ5作品
最後はテレビで見られる5作品をご紹介。
とはいってもこちらもシリーズ作。①と近い扱いです。
しかし、せっかくなので紹介しておきたいなと思いました。
その作品は『シャークネード』シリーズです。
現在、BS12にて夜7時からシリーズ6作を一挙放送しており、既に1作目は4月29日に放送済み。
5月1日から見られるのはシリーズ2作目の『シャークネード カテゴリー2』からとなります。
「1作目から見れないと意味ねーじゃん」と思うかもしれませんが、1作目は単作で話に決着が着いていますし、続編が意識されて作られているのは2作目から。そのため、2~6でもぜんぜん問題はありません。
5月2日に2作目、3日が飛んで4日~6日にかけて3,4,5,6作目を放送するという変則的な時間帯で放送。
まったりゆるーい気持ちで映画を楽しみたい方には持って来いの企画ですね。

【雑記】昭和の最後に公開された映画

4月29日の今日は「昭和の日」ですね。
昭和といえば印象深いのが最後の年となった昭和64年―――1989年でしょう。
1月1日~7日までのたった7日間しかなく、1月8日からは平成元年となりました。
その期間の短さから、昭和64年の硬貨は貴重という話もよく耳にしますよね。


そんな短い期間の昭和64年。
しかし、その短い間に公開された映画も存在していました。
今回は、そんな短い期間に公開された作品を紹介していこうと思います。




その作品とは『ジーグフェルド・フォリーズ』というミュージカル映画です。
1989年の1月7日に公開され、昭和から平成への橋渡しとなった作品でもあります。


主演は当時ミュージカル界のスターであったフレッド・アステア
彼の他にも、ジュディ・ガーランドジーン・ケリーなど、往年のミュージカル界のスターが出演。(中でもフレッド・アステアジーン・ケリーの初共演が見られるのはミュージカルファンには堪らないサービスかと思います)
まさに、ミュージカルのお祭りとも言えるキャスティングには、驚かされるばかりです。


内容はオムニバス形式となっているため、監督も総勢7人が集結。
中には、『若草の頃』のヴィンセント・ミセリ、『ショウ・ボート(1951)』のジョージ・シドニー、『イースターパレード』のチャールズ・ウォルターズらも参加。
ミュージカル映画との相性の良さを発揮していると言えますね。


そうしたそうそうたるメンツを集めたのが配給会社MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)です。
今でもたまに見かけるあのライオンが吠えるロゴの会社ですね。
そんなMGMは、1974年の『ザッツ・エンタテインメント』辺りまでミュージカルに心血を注いでいました。
それはMGMが手掛けてきたミュージカルの集大成とも呼べる作品であり、その走りとなったのがこの『ジーグフェルド・フォリーズ』とも言われています。


そんな『ジーグフェルド・フォリーズ』が作られる経緯は、名プロデューサーと呼ばれたフローレンツ・ジーグフェルド・ジュニアが、1932年に亡くなったことを受けてでした。
彼が、1907年から1931年、1934年から1936年の間にブロードウェイで上演していた「ジーグフェルド・フォリーズ」こそ、映画のタイトルの由来となります。
そのジーグフェルドは、本編中にも登場。
天国から自分の作り出したショーを回想するという一風変わった展開を見せており、彼に捧げるにふさわしい内容と言えるでしょう。


先ほど「1932年に亡くなったジーグフェルドのために作った映画」と紹介しましたが、ここで疑問に思った方もいたハズ。なぜ、1989年の公開であるのか。
実はこの作品、製作は1945年で、本国アメリカでは1946年に公開されています。
つまり、40年近く経ってからようやく公開されたのです。
それが昭和最後の日となったのですから奇妙な偶然と言えますね。(まあ、製作陣はまったく知らない事実でしょうけど)


で、そこまで遅くなった理由については……不明です。
内容に検閲しなくてはならないものがあるとは思えませんし、先送りするほどクオリティの低い作品でもありません。
上の方でも少し触れた『若草の頃』、『ショウ・ボート(1951)』、『イースターパレード』(同じMGMのミュージカル映画)は、しっかりとアメリカ公開から数年内に日本公開されていますし、『ジーグフェルド・フォリーズ』だけ流したのは何か考えがあったのでしょうか……?


とはいえ、その謎采配があったからこそ、今回こうして作品を紹介することもできました。
もしかすると、昭和最後の思い出として誰かの心に残っているのかもしれませんね。

【雑記】『ニュー・シネマ・パラダイス』3バージョン物語

明日4月29日にBSプレミアムで『ニュー・シネマ・パラダイス』が放送されるらしいです。
ニュー・シネマ・パラダイス』といえば、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の傑作中の傑作。
緻密に計算された回想シーンと現在シーンとの調和がもたらすノスタルジックな雰囲気は、エンニオ・モリコーネとその息子アンドレアによる音楽の素晴らしさもあって感動三昧。
昔の映画文化の素晴らしさ、イタリア文化の異国情緒溢れる様子など、見ごたえもたっぷりとあります。


さて、そんな『ニュー・シネマ・パラダイス』ですが、この映画には3つのバージョンがあります。
それが「ディレクターズ・カット版」(170分)「インターナショナル版」(124分)「イタリアオリジナル版」(155分)の3つです。
今回、放送されるのは「インターナショナル版」なわけですが、これはいわゆる劇場公開版。おそらく最も親しみのある『ニュー・シネマ・パラダイス』ではないかと思います。




では、他の2つは一体何なのかという話。
まず「ディレクターズ・カット版」は、よく聞くかと思います。
作品を作るに当たりカットしたシーンを追加した「全部のせ」のイメージ。
監督が必要かと思ったけれど、よくよく考えてみると不要であったシーンも追加されています。


もうひとつの「イタリアオリジナル版」は、私が勝手に呼んでいるだけなので正式名称ではありません。
おそらく正式名称はないのですが、それもそのはず。このバージョンは、イタリアで公開されたもののあまり好評ではなく、それがきっかけとなり大幅カットしたインターナショナル版が作られます。(主にエレナとのシーンがカットされ、後日談もカットされたのだとか)
しかし、それが結果として成功。トルナトーレ監督のキャリアでも1,2を争う傑作となったのですから分からないものです。


で、この「イタリアオリジナル版」ですが、日本に現存するディスク媒体では見ることが出来ません。
海外ではどうやら出回っている(上映時間155分のものが存在する)ようなので、別にお蔵入りして元データが存在しないとかいうこともないのではないかと思います。


では何故、発売されないのかというと、おそらくディレクターズカット版で集束しているから。
上で書いた上映時間からも分かるように、ディレクターズカット版は170分、イタリアオリジナル版は155分と、15分多いです。
170分の中に155分の本編が含まれていることは容易に想像出来ちゃいますよね。
そのため、我々は「ディレクターズカット版をのぞく時、イタリアオリジナル版もまたのぞいているのだ」と言えるでしょう。


とはいえ、トルナトーレ監督としては、イタリアオリジナル版が最も自分の表現したかった『ニュー・シネマ・パラダイス』であることも事実。(鑑賞した人たちの声を聞いてカットしたわけですし)
いつの日か、イタリアオリジナル版を見てみたいものですな。

【雑記】アカデミー賞のノミネート&受賞から見る『ノマドランド』の凄さ!

昨日、26日にはアカデミー賞が開催されましたね。
前評判もよかったことから。作品賞、監督賞、主演女優賞の3部門で獲得に至ったのも当然かと思います。
しかし、おそらく多くの方が疑問に抱くのが「果たして本当に受賞するに足る存在であったのか?」ということです。
そこで今回は、ノミネートされた賞も含め『ノマドランド』を振り返っていきたいと思います。
ちなみに、内容は主観ですのでそこはお気を付けください。



<ノミネート>
〇脚色賞
この作品には原作があります。
それがジェシカ・ブルーダーが2017年に執筆したノンフィクション小説『ノマド: 漂流する高齢労働者たち』です。
私はこれを読んでいないので、どれくらいの脚色、あるいは踏襲がされているのかは分かりません。
ただ、一つ言えるのは「映像化」という点において、これほどまでに効果的な作品はそうそうないだろうということです。
ノマド(放浪者)のつながりを、ハグであったり、握手であったり、視覚的な形で見せた演出は、言葉以上にその強固な結び付きを思わせていました。
また、自然の雄大さとそこで自由に生きることの意味を感じさせる風景を切り取っているのもノマドとして生きる意味をより強く感じさせる要素になっていたと思います。
こうした「映像だからできる表現」を見せたシーンの数々は、文字だけでは表現仕切れない魅力を形にした、良質な脚色であったと言えるでしょう。

〇撮影賞
作品の魅力を語る上でこの要素は欠かせません。
上でも挙げた美しい自然の映像には、ただただ圧倒されるばかりでしたから。
ただ、普通よりも優れていると感じられるのがその切り取り方。
夕暮れの薄暗さが最も美しい時間帯―――いわゆるマジックアワーを映える形で撮影していたり、薄暗いシーンながらもそこに光の温かみをもたらせていたりなど、美しいシーンを作るのが巧みでした。
いかに最新技術を用いて映像美を演出するかが問われる今の時代に、自然光の捉え方ひとつひとつで美しく見せたセンスの良さは、撮影賞にノミネートされたのも納得でした。

編集賞
この作品、鑑賞した方なら誰もが感じたかと思いますが、ドキュメンタリーチックな印象を受けます。
ノマドの人々の生活を切り取り、その尊さを表現した本作において、このドキュメンタリーチックなつくりはかなり効果的でした。
で、その印象を確定付けさせていたのがここで取り上げる編集であったと言えるでしょう。
一つのパートを的確に細かくカットしていき、主人公ファーンが出会う人々とのドラマ性を作りながらも、ドキュメンタリーのようなリアルさを演出。
劇的としていないからこそ感じられる、一期一会の出会いと別れの素晴らしさ、突然の再会の喜びは、より強く感じられるように思えましたね。

<受賞>
〇主演女優賞(フランシス・マクドーマンド
今年の受賞で主演女優賞獲得は3度目というフランシス・マクドーマンド。それも納得の演技力でした。




おそらく彼女の演技がなければ『ノマドランド』という作品の評価自体がガラリと変わっていたと思います。

【雑記】アカデミー賞終了!今年のアカデミー賞のタイムスケジュールをまとめてみた

4月26日。(現地では4月25日)
第93回アカデミー賞が開催されました。


監督賞では、クロエ・ジャオが女性としては2度目、アジア人女性としては初の監督賞を受賞したり、いつもはアカデミー賞の締めとなる作品賞が先行して発表されたり、ラストの締めとなる主演男優賞が皆の予想とは違っていたりと、色々見所が盛りだくさんでした。
今回は、そのアカデミー賞のタイムスケジュールをまとめたのでここに記載しておきます。
おそらく、結果を羅列したサイトは数あれど、アカデミー賞のタイムスケジュールをまとめたサイトはあまりないハズ!
需要があれば幸いです。

時間 内容 プレゼンター 備考
09:00 オープニング - レジーナ・キングユニオンステーションの入り口から会場に向かうまでをワンカットで撮影
09:05頃 脚本賞発表 レジーナ・キング -
09:10頃 脚色賞発表 レジーナ・キング 受賞したクリストファー・ハンプトンはリモート参加
09:20頃 国際長編映画賞発表 ローラ・ダーン -
09:30頃 助演男優賞発表 ローラ・ダーン -
09:40頃 メイク・ヘアスタイリング賞発表 ドン・チードル -
09:45頃 衣装賞発表 ドン・チードル -
09:50頃 ジーン・ハーショルト友愛賞発表 ブライアン・クランストン ・映画テレビ基金(MPTF)が受賞
受賞発表はハリウッドのドルビーシネマから
09:55頃 監督賞発表 ポン・ジュノ 受賞発表はソウルドルビーシネマから
10:05頃 音響賞発表 リズ・アーメッド ニコラス・ベッカーのみリモート参加、他の4人は会場参加
10:10頃 短編実写映画賞発表 リズ・アーメッド -
10:20頃 短編アニメ映画賞発表 リース・ウィザースプーン -
10:25頃 長編アニメ映画賞発表 リース・ウィザースプーン -
10:35頃 短編ドキュメンタリー賞発表 マーリー・マトリン -
10:40頃 長編ドキュメンタリー賞発表 マーリー・マトリン -
10:50頃 視覚効果賞発表 ティーヴン・ユアン -
10:55頃 助演女優賞発表 ブラッド・ピット ユン・ヨジョンをエスコートするブラピがカッコよすぎた
11:05頃 美術賞発表 ハリー・ベリー -
11:07頃 撮影賞発表 ハリー・ベリー -
11:17頃 編集賞発表 ハリソン・フォード -
11:25頃 ジーン・ハーショルト友愛賞 ヴィオラ・デイヴィス タイラー・ペリーが受賞
11:32頃 作曲賞発表 ゼンデイア -
11:38頃 歌曲賞発表 ゼンデイア 今年は時勢もあってか、パフォーマンスはなし
11:40頃 歌曲クイズ - 歌曲を聞いて受賞したかノミネートされたか該当なしか当てるゲームを実施
11:53頃 追悼 アンジェラ・バセット ラストを締めたのはチャドウィック・ボーズマン
12:00~12:07 作品賞発表 リタ・モレノ 異例の作品賞を先出し
12:10~12:12 主演女優賞発表 レニー・ゼルウィガー 受賞したフランシス・マクドーマンドのコメントは30秒くらいで終了(作品賞でも話していたため)
12:13~12:14 主演男優賞発表 ホアキン・フェニックス 欠席であったためコメントなし
12:15 エンディング - -


ざっとこんな感じです。
個人的に受賞コメントで一番グッと来たのは、国際映画賞を受賞したトマス・ヴィンターベア監督でした。
作品に出演予定であった娘が亡くなったことで折れかけていた意欲をスタッフ、キャストが取り戻させてくれたことに対する謝辞には感動しました。


笑ったコメントは助演男優賞ダニエル・カルーヤ
真面目なスピーチかと思いきや、ラストに「自分が生まれたのは父親と母親がセックスを楽しんだから」と爆弾発言をぶっこんでくるのですから凄いです。会場にいた母親のリアクション加えて楽しませてもらいました。


最も上手くまとめていたと思うのが助演女優賞のユン・ヨジョン。
皮肉やユーモアを交えつつ、謝辞を述べていくまとまりの良さは好感が持てましたね。てか英語ペラペラで凄いです。


アカデミー賞というのは、知らなかった作品と出会うのもまたひとつの楽しみです。
今回、新たな出会いを得られたのは長編ドキュメンタリー賞を受賞した『オクトパスの神秘: 海の賢者は語る』です。
タコの生態を記録し続けたドキュメンタリーながらも受賞をしてしまうクオリティの高さというのはぜひ、見てみたいと思いましたね。Netflixなので手軽に見られそうなのも魅力かも?
また、ノミニーで対抗馬とされていた『タイム』という作品もなかなか見ごたえがありそうで、興味を持ちました。(こちらはAmazonPrime)




感動から驚きまで様々な展開が待ち受けていた第93回アカデミー賞
コロナの影響で通常とは異なる開催でしたが、ミスもなく終わったようで良かったです。
とはいえ、歌曲賞のパフォーマンス披露がなかったり、時間を巻いていくかのように淡々と進行したりと、少し物足りなさがあったのも事実。
いち早く通常の形態に戻り、イベント盛りだくさんの授賞式を再び見てみたいですね。


第94回アカデミー賞授賞式は、2022年2月28日に開催予定となっています。