今回は、4月1日㈭~4月7日㈬にかけて鑑賞した映画についての簡易的なレビューをしたいと思います。
1日1作見ているので計7作品となります。
ネタバレは簡単なあらすじなどがあるため、何も前知識なく見たい方は注意してください。
まずは見た作品の一覧と個人的なオススメ度から。
タイトル |
オススメ度 |
アリス・スウィート・アリス |
★★★★☆ |
陽のあたる場所 |
★★★★☆ |
スナイパー・ストリート バグダッド狙撃指令 |
★★☆☆☆ |
ガンズ・アキンボ |
★★★★★ |
白と黒のナイフ |
★★★★☆ |
デッドマンズ・プリズン |
★☆☆☆☆ |
フライングハイ |
★★★★☆ |
以上の7作品になります。
特に狙ったわけではありませんが、バランスよく評価が分かれることとなりました。
それではここからは、7作品の感想を書いていきます。
タイトル |
アリス・スウィート・アリス(原題:Alice Sweet Alice) |
製作年 |
1976 |
製作国 |
アメリカ |
上映時間 |
107分 |
感想 |
殺人鬼(?)少女アリスの日々を追ったホラー映画。いい意味で狂っている!最初からアリスは不気味だし、作品もそれを全く隠そうとしない。次々と起こる事件がアリスの異常性を表している一方で、アリスは「私が犯人じゃない!」とガチな様子で言っていてどんどん作品に引き込まれていきました。スラッシャー要素もショッキング要素もかなーり過激で、見ていて「うげぇ」と思うようなシーンは多め。特にゴキブリの下りはゾワゾワします。それでいてタイトルが「アリスかわいいアリス」みたいな意味なのですからげんなりさせられます。アリスを演じたポーラ・E・シェパードの怪演っぷりに驚かされると共に、子供の性格がちょっとしたことで歪む恐ろしさを感じる作品でした。 |
タイトル |
陽のあたる場所(原題:A Place in the Sun) |
製作年 |
1951 |
製作国 |
アメリカ |
上映時間 |
122分 |
感想 |
田舎から都会へ進出したお上りイケメン青年ジョージが二人の女に手を出したことからとんでもない目に遭うメロドラマ的映画。序盤から中盤にかけては本当に昼ドラでも見ているかのようなノリ。モンゴメリー・クリフト演じる貧乏イケメン主人公が、金持ち女性アンジェラに惹かれつつ、分相応な身分の女性アリスとの恋を育むも、思わぬ形でアンジェラといい雰囲気になってそちらに浮気して泥沼に発展する感じ。後半に待ち受けるヒッチコックライクなサスペンスには前半とは違った面白さがありました。100%ジョージの自業自得であるにも関わらずどこか感情移入できてしまうのは、彼が等身大の若者であり、それをモンゴメリー・クリフトが魅力的に演じていたからこそだったのかもしれませんね。 |
タイトル |
スナイパー・ストリート バグダッド狙撃指令(原題:Haifa Street) |
製作年 |
2019 |
製作国 |
イラク/カタール |
上映時間 |
78分 |
監督 |
モハナド・ハヤル |
脚本 |
モハナド・ハヤル |
主演 |
アリ・タメール |
感想 |
内戦繰り広げられるイラクからある女性を連れ出そうとしたアメリカ国籍男性(イラク人)が、足を狙撃されたことからその場から動けなくなるという戦争ドラマのような何か。タイトルからして軍人の物語かと思いきや、狙撃手はイラク戦争中のスンニ派かシーア派かのどちらかに所属する兵士です。「どちらか」という曖昧な表現となったのには理由があって、それは狙撃した理由がどちらに所属しているかとかどーでもいいから。完全に狙撃手の独り相撲なんですよね。気に入らないことを命令されれば仲間や指導者さえ殺してしまうし。なんだか撮影手法やロケ地はリアルさを売りにしている感じがあるのにストーリーは素っ頓狂で非常にごちゃごちゃしている作品でした。 |
タイトル |
ガンズ・アキンボ(原題:Guns Akimbo) |
製作年 |
2020 |
製作国 |
ドイツ/ニュージーランド/イギリス |
上映時間 |
98分 |
感想 |
ネット弁慶なダニエル・ラドクリフが、悪口コメントを書いたことからデス・ゲームに参加させられるという作品。このあらすじだけでも「なんて頭の悪そうな映画だ……」となりますが、中身はもっと頭が悪い。二丁拳銃を両手に釘留めされたラドクリフ演じるマイルズが、しょんべん撒き散らしたり、血まみれになったりと下品千万、グロ千万。しかしそこへハイスピードかつ斬新な音楽+撮影+演出が加われば、一気にハイになれる!まさにドラッグ映画です。ラドクリフの演技も申し分ないものでした。最初はナヨナヨ系のネット弁慶が、どんどんクレイジーに染まっていき、最後にはトリガーハッピーよろしく銃をバンスカ撃つ成長(?)物語は痛快の一言に尽きます。サマラ・ウィーヴィング演じる超クレイジーな追跡者ニックスとの掛け合いも素晴らしく、よくぞこんな映画を成立させたなと感心させられるばかり。日頃のストレスを吹っ飛ばせる映画館で見るのに適した作品でした。 |
感想 |
妻殺しの容疑を掛けられた容疑者ジャック・フォレスターと、その弁護をすることとなったテディ・バーンズの二人による法廷ドラマ……かと思ったら、二人が愛欲の関係へと発展していくラブロマンス要素も強い作品でした。もちろん、根底にあるのは法廷ドラマであるため、弁護側と検察側との二転三転する攻防は普通に楽しかったです。愛欲関係が意味を成してくるのは終盤なわけですが、これはあってもなくても良かったんじゃないかなという印象。単にグレン・クローズとジェフ・ブリッジスの美男美女カップルがラブロマンスを見せるというビジュアル的な楽しみがあったのは利点かもしれませんが…… |
タイトル |
デッドマンズ・プリズン(原題:Dead Men Walking) |
製作年 |
2005 |
製作国 |
アメリカ |
上映時間 |
80分 |
監督 |
ピーター・マーヴィス |
脚本 |
マイク・ワット |
主演 |
ブランドン・ステーシー |
感想 |
ゾンビウイルスが刑務所で蔓延するというなんとも分かりやすい作品。流石はアルバトロス配給作、クッソつまんないです。なかなか始まらないパンデミック、特に斬新さもないパニック要素、うっすいキャラクターたちと、ネタ要素としても魅力がない……唯一、魅力があるのなら殺される人間のはらわただろうか。ゾンビが腹を裂いてにゅるにゅると出てくるはらわたはなんだかこだわって作っていました。しかし、これまた「見てくださいよ」と言わんばかりに何度も何度も見せつけてくるので飽きてしまったのも事実ですが……全体的にあまり雰囲気のあっていないヘヴィメタルな音楽を使用していたこともあってか、やかましさが記憶に残る作品でした。 |
タイトル |
フライングハイ(原題:Airplane!) |
製作年 |
1980 |
製作国 |
アメリカ |
上映時間 |
88分 |
感想 |
かつて戦争で墜落を経験した男テッドが、スチュワーデスの元恋人エレインを追って乗り込んだ飛行機が墜落の危機に遭うコメディ作。やっていることはただただアホっぽいのですが、そのユーモアセンスは飛びぬけすぎていて素晴らしい!なにかしらネタをぶっこんでくるのは分かっていてもいつもその斜め上をいかれる衝撃は、次の展開が楽しみになるものばかりでした。飛行機という舞台を生かしたドラマも見ごたえがしっかりとあって何気に凄い。乗客からスチュワーデス、パイロットに果ては自動操縦まで、全てを笑いのキャラクターとしてしまう発想も素晴らしかったと思います。墜落間近の飛行機なのに乗ってみたくなる魅力満点な空間は、コメディ映画の何たるかを分かっているからこそ作れたと言えるでしょう。 |
以上、7作品のレビューでした。
個人的にこの1週間で見た作品で面白かったのは『ガンズ・アキンボ』でした。まあ、劇場で見たからというのもあるかもしれませんが……
とはいえ、この1作だけでも当たりであったと言える週でしたね。