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【雑記】ネットの民度は変化した?5年の歳月から見た『NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム』!

5年というのは結構な期間です。
小学生ならだいたい中学生(1年生なら6年生)に、中学生は高校生に高校生は大学生に、大学生は社会人に、といった感じでその期間の間にひとつ転換期を迎えているものです。


で、時は5年前に遡り2016年。
この年に製作された作品で触れておきたいのが『NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム』です。
日本公開は2017年の1月なのですが、最速アメリカでの公開は2016年の7月ということもあり、撮影時期とかを踏まえるとだいたい5年前くらいに当たります。
この作品、ざっくり説明すると「SNSでバズりたい若者たちが与えられるミッションに挑むも、どんどんエスカレートしていく」といった感じ。
踏切に寝転んだり、目隠しバイクで疾走したりと、刺激的な行為の数々はエンタメ作として面白かった記憶があります。
SNSを題材に使っていただけに、親近感を覚えると同時に「ありえるかもしれない」という想像力を掻き立てられたものです。


で、この作品を通して見たいのが現在2021年との差。
2016年当時と比べると、意外とそこまで変わっていないような気がします。
当時は「数年後には本当にこんな遊びが流行るのかも」とか思ったりしたものですが、5年経った今でも、そこまで大きな変化を見せているようには思えません。
もちろん、バズりたいがためにそこそこアホなことをする連中は現存していますが、それが5年前と比べて過剰になったかと言ったら首を捻る状況です。


逆に、2011年から2016年の5年間の変化はかなり大きなものであったと思います。
アンダーグラウンド層への進出が増え、スラングが流行り、インターネット・ミームはより身近なものとなりました。
Twitterに、アルバイトが奇行をアップするバイトテロが流行ったのも2013年頃のこと。
ネット界への進出のハードルが下がっていくに比例して、その民度もどんどん下がっていった5年間であったと思います。
その大きな変化を与えたのはたぶんスマートフォンの普及なのでしょうが、まあそれは置いときましょう。

そんな激動の5年間と比較すると2016年から21年はそんなに大きな変化はなかったように思えます。
しかし、考えてみると先に挙げたバイトテロは定期的に置き続けていますし、バズりたい欲で奇行に走る人々は減っていることはありません。(むしろ増えている?)
そこで思うのが、ネットの民度は既に底打ちしているのではないかということです。
もはやネットで手軽にアップできる行為は既に限界に達しており、これ以上悪くなりようがないのではないでしょうか。
それこそ、殺人などの犯罪行為であったり、目隠しバイクのような自殺まがいの行為ならまだ過剰になり得るかもしれません。
しかし、人間は義務教育や人とのコミュニケーションを通して「法を超えること」、「命を粗末にすること」には抵抗を覚えるものです。
承認欲求>命な人間はそうそういるもんではありませんからね。(たまにいるのは恐ろしい話ですが……)
少なくとも、5年という期間ではそうした倫理観が崩壊するに至るまでの大きな変化が起きることはありませんでした。
果たして次の5年はどうか……?底打ちしていることを祈るばかりです。




さて、今回こうして『NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム』を取り上げたのは『ガンズ・アキンボ』という作品の作風(というか設定)が近しいものにあって思い出す機会があったためです。
『ガンズ・アキンボ』は日本公開こそ2021年ですが、製作は2019年で『NERVE/ナーヴ』からはだいたい3年後の取り組み。
SNSと人の持つ承認欲求との関係を描いた作品は、まだまだ新鮮味のあるテーマだと言えますね。