映画ごった煮ブログ

【雑記】10年越しの奇妙な偶然!「何者でもない主人公」の物語

「Mr.Nobody」(ミスター・ノーバディ)、それはその人物が何者でもないことを表す言葉です。
現実ではあまり使わないかと思いますが、映画ではちょくちょくそのフレーズを聞くものです。
最近だと『ワイルド・スピードSKY MISSION』以降、シリーズに登場しているカート・ラッセルが演じる役がミスター・ノーバディでした。
このフレーズ、捉え方によっては「無個性な人物」というマイナスな取り方も、「スパイのような素性の不明な人物」というプラスな取り方も出来るような気がします。
その使い分けのしやすさが映画に生かしやいために使われる機会が多いのかもしれませんね。




さて、本題ですが、先日その「ミスター・ノーバディ」をタイトルに冠する作品の公開日が決定されました。
ボブ・オデンカーク主演による『Mr.ノーバディ』という作品で、公開日は6月11日の予定。


注目なのは『ジョン・ウィック』の生みの親である脚本家デレク・コルスタットが脚本を、シリーズ通して監督や製作総指揮にあたっているデヴィッド・リーチが製作に名を連ねていることでしょう。
そのためストーリーも「家族からも疎まれていた冴えない中年のおっさんが実はヤバい奴で、ある日ブチ切れて裏社会をもぶっ潰す存在として暴れだす」という『ジョン・ウィック』を彷彿とさせるもの。
アクションもガッツリあるようですし、これはもう『ジョン・ウィック』の再来と言っても過言ではないかもしれません。


監督にあたるのは、2015年に『ハードコア』で全編一人称視点のアクション映画を作り上げたイリヤ・ナイシュラー。
エッジの効きまくった作品を作っていた監督だけに、次回作が期待される監督でしたがここで現れるとは!
予告編を見る限りだと今作でもそのエッジを効かせた演出をバンバン放り込んでいるみたいですし、持ち味を最大限引き出しているのではないかと思います。




もうひとつ紹介したい作品が、今度は既存の映画。
時は10年前に遡り2011年4月。ある映画が公開されました。(製作は2009年)
その名も『ミスター・ノーバディ
ジャコ・ヴァン・ドルマル監督(『神様メール』の監督)、主演ジャレッド・レトで実現したSF映画です。
当然ながら、上で紹介した『Mr.ノーバディ』とは関連はありません。ただひとつ「何者でもない男」を題材にしている点を除けば。
こちらの作品は、2092年を舞台に、年を取らなくなった人類の中で生きる118歳の男ニモが"選択しなかった過去"を回想から振り返るという内容。要は「シュレディンガーの猫」のあり得なかった未来の蓋を開けていく映画です。
今度公開する『Mr.ノーバディ』が頭を空っぽにして見られる娯楽作なら、こちらの『ミスター・ノーバディ』はガッツリ頭を使わされる難解作と言えるでしょう。
百聞は一見にしかず。「我こそは難解映画のプロぞ!」と思う方はぜひ見てみてください。