映画ごった煮ブログ

【雑記】『ノマドランド』と『はじまりへの旅』から見るノマド(放浪者)としての生き方!

現在、公開中の映画『ノマドランド』
ノマド=放浪者たちのリアルを切り取ったその内容は斬新で多くの人の注目を集めています。
そんな本作ですが、個人的にどこか既視感を覚えるシーンがチラホラありました。


そこで出てくるのが『はじまりへの旅』という2017年のドラマ映画です。
ヴィゴ・モーテンセンの主演作でもあったことからミニシアター映画ながらもそこそこ話題に。タイトルを聞いたことがある方も少なくないのではないかと思います。
内容としては、10年間森の中で暮らしてきたキャッシュ一家が病院で亡くなった母親の葬式に参加するため都会へと向かうというもの。
父であるベン(ヴィゴ・モーテンセン)が見せる破天荒な旅路の中で子どもたちと衝突し、子どもたちのみならずベンもまた成長を見せていくのが感動的です。


で、『ノマドランド』との共通点はと言えば、一家が“放浪者”である点。
「ホームレスじゃなくてハウスレス」というセリフは『ノマドランド』でも印象深いセリフ。
そのセリフは『はじまりへの旅』のキャッシュ一家にも言えることです。
定住する土地こそないものの、安住の場所はある生き方は、両者ともに共通しています。
「どこに住むかではなく、どのように生きるか」それをテーマとしているのは作品の共通したテーマであったと言えるでしょう。




逆に、この両作で大きな違いとなっていたのが、1人であるか家族であるかの違いでした。
ノマドランド』のファーンは、基本1人で行動し、生活しています。
対して『はじまりへの旅』のキャッシュ一家は父1人、子6人という大家族の生き様を見せていました。
その違いがもたらす効果はドラマの描き方。
ノマドランド』の方では、ノマドの暮らしの中で生まれる人とのつながりや孤独をドキュメンタリーチックに浮き彫りにしていますが、『はじまりへの旅』ではベンと子どもたちの関係をドラマティックに表現。
登場人物の多さ&個性を通して、子どもたちのみならずベンの成長も描く手法は秀逸でした。


どちらも甲乙付けがたい素晴らしいことは言うまでもありません。
「こういう生き方や幸せがあるんだな」という感想を抱くことのできる素敵な作品ですので、ぜひセットで見たくなる作品ですね。