映画ごった煮ブログ

【雑記】ジョージ・A・ロメロは死してなお我々を楽しませてくれる

『ゾンビ』を初めとした、『〇〇・オブ・ザ・デッド』シリーズで有名なジョージ・A・ロメロ
彼は2017年に惜しくも命を落としてしまいましたが、まさかの最新作の噂が立っているのだとか!
さらに、お蔵入りとなった作品が発掘されたというニュースまであって、まさにジョージ・A・ロメロの再来を感じている今日この頃。
今回は、その最新作『トワイライト・オブ・ザ・デッド(原題)』と発掘された映画『The Amusement Park(原題)』についての雑記です。


「故人の最新作?どういうこっちゃ」となる方もいるだろうし、簡単に説明。
当然ながら、ロメロがリビングデッドしたわけではなく『トワイライト・オブ・ザ・デッド(原題)』はロメロが生前、企画を温めていた作品なんだとか。
それを、彼の妻であるスザンヌ・ロメロや、共同で原案をしていたパオロ・ゼラティ、脚本家のジョー・ネッター、ロバート・L・ルーカスらが集って、今回の最新作公開へと漕ぎつけようとしているらしいです。

まだ「やるぞ!」と決まった段階らしいので、どこまで実現可能なのかは分かりませんが、結構本気らしいので期待してもいいのかも……?
ちなみに、ほとんど何も決まっていない状態ですが、時系列的には『ランド・オブ・ザ・デッド』(2005)のその後とになるのだとか……
しかし、ゾンビ映画の飽和したこの時代にどのような形で挑むのか、期待半分、不安半分ですね。


続いては発掘されたお蔵入り作品『The Amusement Park(原題)』について。
なんと、『ナイト・オブ・リビングデッド』(1968)から5年、ちょうど『ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖』と同じ年にロメロが監督した作品がこの『The Amusement Park』なる作品らしいです。(ちなみに、『ゾンビ』はさらに5年後の1978年)
まさに映画界のオーパーツ
しかも、原案とか脚本とかいうのではなく、作品としてきっちり完成したものなのだと言うのですから驚きです。

主演を務めるのは、ロメロ監督作『マーティン/呪われた吸血少年』(1977)で、マーティンの吸血行為を知り彼の身柄を引き取る従兄弟クーダを演じたリンカーン・マーゼル
彼が演じる主人公の老人が、Amusement Park=遊園地で、恐ろしい体験をすることとなる、というのが作品のストーリーらしいです。

4K修復版の予告も既に公開されており、それを見る限りでは、主人公が遊園地で謎の群衆に追われたりすることになるような感じでした。
というか、4K修復版によって、昔のホラー映画の雰囲気を残しつつ、見るのに苦とならない映像の綺麗さがあって驚きました。
過去のホラー映画の4K修復ブームが到来してほしくなる出来栄え!YouTubeなどで見られるので是非見てください)

この作品がお蔵入りとなっていた本当の理由は分かりませんが、作品を発掘した作家ダニエル・クラウス(ギレルモ・デル・トロと『シェイプ・オブ・ウォーター』の小説版を共同執筆したり、ジョージ・A・ロメロが完結しそびれた小説『The Living Dead』を引き継ぐなどをしている人物)によると「あまりにも痛烈にアメリカ社会を描いている」ために配給側が公開を許さなかったのではないかということです。
風刺の効いた映画なんて数多くありますが、お蔵入りになる作品なんて聞いたことがありません。(ましてや完成しているのに)
これが本当なら一体どれだけ刺激的な内容となっているのか気になる所ですね。

さて、こうして散々『The Amusement Park』の期待を煽ってきたわけですが、日本ではこの作品を見ることができません。
どうやらアメリカのホラー映画専門の動画配信サービス「Shudder」にて今年の夏に配信される予定なのだとか。
そのため、日本では見ることが不可能と言われています。早く「Shudder」の日本版サービスを開始してほしいですね。


今回は、ジョージ・A・ロメロの残した作品2つについて書いていきました。
2017年に亡くなってしまい、悲嘆に暮れていましたが、まさかこのような形で我々を驚かせてくれるとは……
とはいえ、こうして過去に企画していた作品やお蔵入りとなった作品が陽の目を見ることになったのも、ひとえに彼が愛されていたからこそです。
いかにジョージ・A・ロメロという人物が偉大であったのかを再認識させられる、そんな2つのニュースでした。