映画ごった煮ブログ

【雑記】『ブレードランナー』はどこから来たのか。タイトルの由来について調べてみた

映画ファンなら(映画ファンでなくとも)誰でも知っているタイトルのひとつ『ブレードランナー
あまりにも馴染みすぎていて疑問に思うことがありませんでしたが、この単語の由来とかあるのだろうか……?
今回は、そんな『ブレードランナー』という言葉の由来を調べてみました。


ブレードランナー」(blade runner)―――直訳するなら「刃 走者」となります。
単語としても作品としてもあまりにも意味不明な言葉です。
パッと思いつくのは<剣の刃を渡る>ということわざ。
きわめて危険なことをすることを表すこのことわざですが、走っていないし日本語のことわざだしなぁ……(ためしに英訳してみた所となりました。通じるのかなこれ)

そもそも、作中でデッカードが「ブレードランナー」と呼ばれるシーンなんてなかったように思います。
このワード自体、冒頭の世界観の説明でしか見かけなかったと思いますし……
で、原作となるフィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』を見てみるとブレードランナー」なんて単語は存在すらしていません。

では、どこからこの単語が現れたのか、調べてみたら案外あっさりと出てきてしまった……
どうやらWikipediaによると、SF作家アラン・E・ナースが書いた小説『The Bladerunner』で登場する単語らしく「非合法医療器具(blade)の運び屋(runner)」という意味合いらしいです。
これにて解決!……と言いたいところですが、非合法医療器具=bladeというのはイマイチぴんと来ません。どうやったらそんな意味合いになるのか……
そこでもう少し深堀り。

どうやら、アラン・E・ナースの『The Bladerunner』の世界観は、優生・劣生の区別がある近未来。劣生の人々は子孫を残さないよう、断種手術を受けさせられるのですが、それを受け入れられない人のために、非合法に子孫を残せるようにする手術を受ける裏ルートが存在しています。
その手術道具……メスのような刃(blade)が付いた医療道具を走って届ける人物こそ「ブレードランナーというわけです。(主人公は警官をしながら「ブレードランナー」でもある男)

なるほど、これでスッキリ……しましたが、俄然興味の沸いてきたアラン・E・ナースの『The Bladerunner』を読んでみたいと思いきやまさかの未翻訳……モヤモヤが残ることに。

なにはともあれ、この『The Bladerunner』が、脚本家であるハンプトン・ファンチャーの手に入り、デッカードの職業を決める際に引用することになったのだとか。(そこに至るまで『The Bladerunner』を映画化しようとして巧くいかなかったりといった経緯もあったそうです)

で、そのままタイトルもデッカードの職業「ブレードランナー」もタイトルにすることになり、ハンプトン・ファンチャーが付けていたタイトル『デンジャラス・デイズ』はお蔵入りとなりました。(リドリー・スコットと脚本の意向が合わずに衝突があったりしたのはまた別の話……)

まさに名作に歴史ありです。
てっきり監督であるリドリー・スコットか、脚本家であるハンプトン・ファンチャーあたりが付けたのだと思っていましたが、まったく無関係なSF作家の作品から取っていたんですね。そりゃ原作に出てこないわけだ。
デッカードの職業名が決まっていることで、物語に何か影響があるかといったら特にありません。
しかし、ブレードランナーの存在を説明した冒頭の文章、あれがあることによって作品の世界観に引き込まれるのは確かです。
名称ひとつで作品の見方がガラリと変わる、そんなSF映画の世界観の重要さに改めて気づかされる雑記となりました。

【雑記】ジョージ・A・ロメロは死してなお我々を楽しませてくれる

『ゾンビ』を初めとした、『〇〇・オブ・ザ・デッド』シリーズで有名なジョージ・A・ロメロ
彼は2017年に惜しくも命を落としてしまいましたが、まさかの最新作の噂が立っているのだとか!
さらに、お蔵入りとなった作品が発掘されたというニュースまであって、まさにジョージ・A・ロメロの再来を感じている今日この頃。
今回は、その最新作『トワイライト・オブ・ザ・デッド(原題)』と発掘された映画『The Amusement Park(原題)』についての雑記です。


「故人の最新作?どういうこっちゃ」となる方もいるだろうし、簡単に説明。
当然ながら、ロメロがリビングデッドしたわけではなく『トワイライト・オブ・ザ・デッド(原題)』はロメロが生前、企画を温めていた作品なんだとか。
それを、彼の妻であるスザンヌ・ロメロや、共同で原案をしていたパオロ・ゼラティ、脚本家のジョー・ネッター、ロバート・L・ルーカスらが集って、今回の最新作公開へと漕ぎつけようとしているらしいです。

まだ「やるぞ!」と決まった段階らしいので、どこまで実現可能なのかは分かりませんが、結構本気らしいので期待してもいいのかも……?
ちなみに、ほとんど何も決まっていない状態ですが、時系列的には『ランド・オブ・ザ・デッド』(2005)のその後とになるのだとか……
しかし、ゾンビ映画の飽和したこの時代にどのような形で挑むのか、期待半分、不安半分ですね。


続いては発掘されたお蔵入り作品『The Amusement Park(原題)』について。
なんと、『ナイト・オブ・リビングデッド』(1968)から5年、ちょうど『ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖』と同じ年にロメロが監督した作品がこの『The Amusement Park』なる作品らしいです。(ちなみに、『ゾンビ』はさらに5年後の1978年)
まさに映画界のオーパーツ
しかも、原案とか脚本とかいうのではなく、作品としてきっちり完成したものなのだと言うのですから驚きです。

主演を務めるのは、ロメロ監督作『マーティン/呪われた吸血少年』(1977)で、マーティンの吸血行為を知り彼の身柄を引き取る従兄弟クーダを演じたリンカーン・マーゼル
彼が演じる主人公の老人が、Amusement Park=遊園地で、恐ろしい体験をすることとなる、というのが作品のストーリーらしいです。

4K修復版の予告も既に公開されており、それを見る限りでは、主人公が遊園地で謎の群衆に追われたりすることになるような感じでした。
というか、4K修復版によって、昔のホラー映画の雰囲気を残しつつ、見るのに苦とならない映像の綺麗さがあって驚きました。
過去のホラー映画の4K修復ブームが到来してほしくなる出来栄え!YouTubeなどで見られるので是非見てください)

この作品がお蔵入りとなっていた本当の理由は分かりませんが、作品を発掘した作家ダニエル・クラウス(ギレルモ・デル・トロと『シェイプ・オブ・ウォーター』の小説版を共同執筆したり、ジョージ・A・ロメロが完結しそびれた小説『The Living Dead』を引き継ぐなどをしている人物)によると「あまりにも痛烈にアメリカ社会を描いている」ために配給側が公開を許さなかったのではないかということです。
風刺の効いた映画なんて数多くありますが、お蔵入りになる作品なんて聞いたことがありません。(ましてや完成しているのに)
これが本当なら一体どれだけ刺激的な内容となっているのか気になる所ですね。

さて、こうして散々『The Amusement Park』の期待を煽ってきたわけですが、日本ではこの作品を見ることができません。
どうやらアメリカのホラー映画専門の動画配信サービス「Shudder」にて今年の夏に配信される予定なのだとか。
そのため、日本では見ることが不可能と言われています。早く「Shudder」の日本版サービスを開始してほしいですね。


今回は、ジョージ・A・ロメロの残した作品2つについて書いていきました。
2017年に亡くなってしまい、悲嘆に暮れていましたが、まさかこのような形で我々を驚かせてくれるとは……
とはいえ、こうして過去に企画していた作品やお蔵入りとなった作品が陽の目を見ることになったのも、ひとえに彼が愛されていたからこそです。
いかにジョージ・A・ロメロという人物が偉大であったのかを再認識させられる、そんな2つのニュースでした。

【雑記】映画界の歴史を見てきた俳優ノーマン・ロイドについて

2021年5月10日、アメリカ人俳優ノーマン・ロイド氏が亡くなったことが報じられました。
御年106歳で、ロサンゼルスの自宅での死というのは、死因こそ明かされていませんが大往生ではないかと思います。
今回、書いていくのはそのノーマン・ロイドという人物について。

ロイドの出生は1914年11月。第一次世界大戦時の生まれというだけでも、驚き。もはや歴史上の人物のような感覚です。
そんな彼が映画界に進出したのは1942年。
かのサスペンスの帝王アルフレッド・ヒッチコック監督作『逃走迷路』に出演しました。
彼はこの作品で、フライというサブキャラクターを演じています。
登場する機会こそ少ないものの、破壊工作(サボタージュ)の罪を着せられたロバート・カミングス演じる主人公バリーが行方を追う、真相を知る人物として大きな役割を担っていました。

ロイドのキャリアでもうひとつ有名なのが、1952年の『ライムライト』
喜劇王チャールズ・チャップリンと親交の熱かったロイドは、彼が監督・主演を務めるに出演をしました。とはいえ、演じたのは端役で、ヒロイン・テリーが披露するバレエの監督ボダリンク役でした。数シーンくらいの役です。

1989年の『いまを生きる』ではピーター・ウィアー監督と、1993年『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』ではマーティン・スコセッシ監督とも仕事を果たしています。(こちらでも脇役ですが…)

他にも、1945年の『The Unseen』ではジョエル・マクリーと、1951年の『M』(フリッツ・ラング監督版『M』のリメイク)ではデヴィッド・ウェインと、1977年『オードリー・ローズ』ではアンソニー・ホプキンスと共に出演をしています。

近年では、2015年(日本公開は2017年)の『エイミー、エイミー、エイミー!こじらせシングルライフの抜け出し方』に100歳という年齢ながらも出演をしました。

俳優業を続けた期間は実に80年近く。そのほとんどが脇役ながらも、積み重ねてきたキャリアはこうして多くの人の心に残ることとなりました。
まさに、映画界を支え続けてきた人物だと言えるでしょう。

【雑記】『おっぱいバレー』とかいう男のロマンを詰め込んだタイトルの映画

明日、5月9日(日)20時からBS日テレにて『おっぱいバレー』が放送されます。
この作品、タイトルのインパクトが凄すぎます。おそらく男なら一発で引き付けられるタイトルです。
しかもあらすじを読んでみれば、弱小中学バレー部を再建するため、綾瀬はるか演じる新任教師が「大会で優勝すればおっぱいを見せる」という約束をしてしまうというものではないか!男の下心をこれでもかとくすぐる要素が詰まっています。
そんな映画『おっぱいバレー』についての雑記です。


そもそも、この作品には原作があって、ラジオ構成家などで活躍をしていた水野宗徳が作家デビュー作として書き上げた同名小説が原作となっているんですね。
映画ばかりが注目されていますが、実は小説だけは続編も刊行されています。(「おっぱいバレー(2)恋のビーチバレーボール編」)

で、この原作には基となった話があるらしく、とある高校の女性教師が「バレー大会で優勝したらおっぱいを見せる」と、生徒と約束した話が着想となっているのだとか。
つまりは実話なんですね。
まあ、その口約束以外の物語は全て創作なので、本当に着想レベルのフィクション作と言っても過言ではないでしょう。

さて、肝心の内容についてなのですが、おっぱいが拝めるか否かは実際に見てみて下さいとしか言い様がありません。主演が綾瀬はるかという有名俳優を使っている時点でお察しですけど……
それよりもなによりも、知っておいてもらいたいのがこの映画の良さ。
思春期男子のバカバカしい行動に笑い、スポーツに打ち込む姿に熱狂する!青春映画の素晴らしさがそこにはあるのです。おっぱいに釣られたって全然悔しくありません。
当時は「おっぱいバレーを1枚」というのが恥ずかしかった人もこの機会にぜひとも見てもらいたいものですね。家族に白い目で見られても耐えて見続けましょう。


ここからは、すごくどうでもいい話。
ふと思ったのが「この作品は海外でどんなタイトルがつけられているのだろうか」という調査結果です。
まず多くの国では英題(英語の題名)を採用しているらしく、アメリカを初めほとんどの国では『Oppai Volleyball』のタイトルで通っているようです。
『おっぱい』をあえて英語にしない(「breast=胸」とか)あたりが日本リスペクト。

では違いがあるのはどの国か、韓国では少々違いがありました。
まず原語で表記すると『가슴 배구단』で、これを直訳すると『胸 バレーボール団』となります。
直訳だからおかしくなるのか、何だか凄く執着している感が出ていますね。

なかなか衝撃的だったのが中国。
『巨乳排球』
いや、分らんでもないけど……
「おっぱい=大きい」という認識なのか、それともこれが正しい翻訳なのか……
ちなみに、Google翻訳で試してみたところ『欧派排球』となりました。
「当て字かよ!」と思いましたが、意外にもこれは中国のネットスラング的な扱いで一応「おっぱい」として通じるらしいです。
中国語の奥は深い……


そんなわけで『おっぱいバレー』についてのアレコレでした。
おそらくこんなどーでもいいことを深掘りしているのはこのブログくらいでしょう。
調べる内に他にも、この作品は「沖縄国際映画祭」のオープニング作として公開されていたこと(しかも2009年、第1回のオープニング作)や、第52回ブルーリボン賞綾瀬はるかが主演女優賞を受賞していたりなどを知ることができました。

なにはともあれ、タイトル通りふざけた作品であり、タイトルからは想像できない素敵な作品なので食わず嫌いせず見てもらいたいです。
明日の放送は、完全ノーカット版での放送という事で、果たして綾瀬はるかが脱ぐのか、脱がないのか、その真偽を確かめることもできます。
見た後はこの言葉で締めくくりましょう。
ナイス!おっぱい

【雑記】映画好きほど「おうち時間」!?意外と忙しい趣味、映画鑑賞!

今週のお題「おうち時間2021」ということで、映画趣味のおうち時間について書いていこう思います。
趣味、映画鑑賞と聞くと基本的に映画館に見に行くものと思われがちです。
「最近何見たの?」とか聞かれて往年の名作の名前を挙げようものなら何故か場がシラケてしまいます。
「映画鑑賞=映画館で見るもの」というのが一般的な考えなわけですね。
たしかにそれは間違いではありません。しかし、声を大にして言いたい、映画は家ですることの方が多いのだと!
そこで趣味、映画鑑賞の私がおうち時間でやっていることについて簡単にまとめてみました。


①映画の情報収集

まず、必ずやっておきたいのが映画の情報収集です。
今週公開の映画について、どのような内容なのかチェックするのはもちろんのこと、興行収入ランキング(アメリカのも含めて)、スタッフやキャスト人のニュースチェック、製作開始された作品があるかどうか、あるなら誰が関わっているのか(関連作があるならスタッフやキャストに変更があるかチェック)、映画グッズのチェック(Blu-rayの発売情報など)を行います。
中でも、映画グッズはスチールブック(スチール缶に入ったBlu-ray)を初め、レアなものが多いので定期的に確認する必要がありますね。

こうした情報収集に生きるのがTwitterです。
映画のニュースが流れてきたり、スチールブックの情報が流れてきたりと大助かり。こういう時のSNSって非常に便利です。
これでざっと1日1時間くらい。場合によっては2時間くらいかかりますし、下手すれば短い映画なら見れてしまうくらいの時間を使っています。

②録画した映画の消化

BS放送というものは映画ファンにとってはオアシスみたいなものです。
毎日のように新旧問わず映画を放送しています。
時には、日に2,3回映画を放送していることもあり、その録画は日に日に積もる一方……つまりは映画館に見に行かなくても見るものは五万とあるのです。地上波でも時々放送していますしね。
映画を見ていて時々思うのが「一生かけても全ての映画を見ることはできないな」ということ。
テラバイト級のレコーダーを買っても録画した映画に圧迫され消えていく容量を見ているとその思いは強まるばかりです。
しかし、そうして溜まっていく録画を選んでいる時もまた幸せなのは事実。
今日も映画の録画は積もっていく……

③オンデマンド配信の映画を見る

最近、力をつけてきたオンデマンド配信。
さらにNetflixオリジナルやAmazonプライムオリジナルといったテレビ放送やレンタルでは手が届かない作品も増えており、契約をしないわけにはいきません。
しかも意外と量が多い!主にNetflix
オリジナル作だけを追っていても1日1本で追いつけません。まさに持ち歩く映画館です。
映画1本見ないだけでも1ヶ月分契約出来てしまいますが、失う時間を考えると「1本見ないだけ」どころでは済みません。
なんて幸せな悩みなのでしょうか。

④見終わった映画の深掘り

映画は見てからが最も面白い時間だと思います。
なぜなら他の人たちの感想であったり、パンフレットに書かれている映画評論家の見方であったり、製作者たちのインタビューであったりと、色々深掘りができるからです。中でも私が楽しみにしているのが製作者たちのインタビュー。
よくBlu-rayの特典映像なんかがありますが、あれを見るのがとても好きです。
ネットやパンフレットなんかにはない情報などもたっぷりと喋っていたり、製作現場を実際に映していたりしますからね。ただの一般人が撮影の舞台裏とか見れるのは嬉しいです。
しかし、こうした特典映像、とても時間が長いです。
ものによっては2,3時間くらいあって、本編よりも長いなんてことはザラにあります。
というか、上に挙げたこと全部やっていたら普通に2時間くらいは経ってしまいます。
見終わった後も気が抜けない、楽しい時間が続くわけです。

⑤ブログの更新

今見ているこのブログの更新。これもまた時間を結構使っています。
けれど、日々生きていると映画のことについて語りたいこととか色々あるんです。
そんな思いの丈をぶちまけるようなブログですがよろしくお願いします。


まとめ

趣味が映画鑑賞な人間の「おうち時間」について書いていきました。
映画館で上映されている映画は減ってしまいましたが、家で見る映画の時間もたっぷりとあって、映画好きとしてはまったく退屈をしていません。むしろ、忙しいくらい。
まだまだ「おうち時間」は続きそうですが、映画の楽しみ方は無限大な気がしますね。

【雑記】映画『ジェントルメン』は延期なし?公開に踏み切る理由を考えてみる

明日、5月7日(金)ある映画が公開予定です。
その作品とは『ジェントルメン』
シャーロック・ホームズ』シリーズや『コードネーム U.N.C.L.E.』、『アラジン』などで監督を務めたガイ・リッチーが放つ痛快エンターテイメント作です。
マシュー・マコノヒーチャーリー・ハナムら、イケてるダンディーな男たちがキャスティングされていることも魅力のひとつでかねてより期待の掛かっていた一作でした。


しかし、コロナの影響で東京に緊急事態宣言が出され、その影響で『ゴジラvsコング』(5/13公開予定)が延期になるといったこともあり『ジェントルメン』もまた公開延期が噂されるように。
「今日なのか?明日なのか?」と、怯える日々が続き……気が付けば今日5月6日を迎えました。
ご存じのように現在進行形で、東京には緊急事態宣言が発令中。11日に解除予定も、延長する説が濃厚となっている状況です。
当然、映画館にもその影響は出ており、都内の映画館は営業休止となっています。


それなのになぜ『ジェントルメン』は公開に踏み切るのか、今回はそこについていろいろと考えてみた雑記です。


①そもそも公開が遅れまくっている

まず気になったのがこの作品の日本公開の遅さ。
本作は製作国にアメリカとイギリスが携わっていますが、この2ヵ国では既に上映がされています。
その公開日が、イギリス2020年1月1日アメリカ2020年1月24日
1年期間ズレてません?」と言いたくなる公開時期ですが、間違いはありません。
もちろんぶっちぎりの更改の遅さで、アジア圏の中国や韓国も2020年2月頃に公開済です。
一番直近はイタリアの2020年5月7日。丸一年前です。


ここまで遅くなった理由で考えられるものを挙げるなら、やはりコロナによる影響。けれど、これまで公開延期のニュースなんてなかったし、なんとも言えません。
あるとするなら「2020年1月に公開→評価を見てから日本の配給が動くつもりがコロナで公開できない状況に→今まで温めていました」という流れ。
どうにしても他の国と比べて大きく遅れてしまったのは事実。
ちなみに、ガイ・リッチー監督は早くも次の監督作を撮り終えてしまい、その作品『ラース・オブ・マン』は、アメリカ本国で明日5月7日に公開予定だそうです。(これに合わせたいのも理由なのか?)

②競合作があまりない

最近、映画ニュースで『名探偵コナン 緋色の弾丸』の新作が3週連続で動員数1位を記録したと報じられていました。
他にも『るろうに剣心 最終章 The Final』が初週(4/23~25)で興行収入7.45億円を記録したことが話題となっています。


これだけ見ると、ライバル作は多いように思えるでしょう。
しかし、5月7日週には『名探偵コナン』は4週目に、『るろうに剣心』は3週目に突入。それを考えれば洋画という層の違いも考慮して十分に戦えると判断できます。
では、洋画はと言えばビッグタイトルは3月26日の『モンスターハンター』から公開はされていません。ガラ空きです。


最もネックであったであろう作品が、5月13日の『ゴジラvsコング』でしたが、この作品がまさかの延期。むしろこれはチャンスですらあります。
逆に、延期をしてしまうと『ゴジラvsコング』とのバッティングはもちろん、既に予定されている作品との兼ね合いも考えなくてはなりません。
東京などの緊急事態宣言の出された地域は、別に公開中止というわけでもありませんし、解除後に公開することを考えればそこまで損失もないかと思われます。(「見れるなら少し待ってもいいか」という人は少なからずいるでしょうし)


そうした興行的点を見ても、時期としては意外と悪くないのかもしれませんね。

③単純に配給会社が早くやりたい

都内を初めとした数県に緊急事態宣言がされている現状ですが、映画の上映が禁止あるいは取りやめにするよう促す動きがあるわけではありません。裁量は配給の考え次第です。


そこで見ておきたいのがこの作品の配給会社。
本作は、キノフィルムズが配給を担当しています。
今年ではマイケル・ケイン主演作『キング・オブ・シーヴズ』を1月に公開させました。(こちらも2018年9月にイギリス本国で公開されているというクッソ遅れている作品)
で、そのキノフィルムズ担当する作品では、本作は「今年の目玉作品」のひとつだと言えます。
特に洋画においては今年一番ヒットが予測される作品だけに、できるだけ早い段階で公開したいのではないかと考えられるんですね。


また、キノフィルムズ配給作で前回公開したのが、大泉洋主演の邦画『騙し絵の牙』
この作品は3月26日に公開されており、現在はほとんど公開終了の時期です。
そのため、キノフィルムズとしては『ジェントルメン』を公開し、配給作をつないでおきたいのではないかと考えられます。(現に、配給作が終わる頃に次の配給作を公開していますし)

大衆の「早く見たい」という声、配給会社の「早く公開したい」という意思、この2つが5月7日の公開に拍車をかけているのかもしれません。


公開はほぼ確定?

ここまで『ジェントルメン』が公開されるであろう可能性を挙げてきました。
そして、最も早く情報が上がるであろう公式サイトを見てみたところ「劇場情報」の欄では、東京が「近日公開」になっているのに対して、他の劇場は「5/7~」という表記になっているではないか……!。
やはり、公開に踏み切る気なのかもしれません。
少なくとも深夜0時を超えてしまえば延期にすることはほぼ不可能。公開が現実味を帯びてきました。
『ジェントルメン』の公開はどうなるのか、公開前からいろいろと注目してしまいますね。

【雑記】『ノマドランド』と『はじまりへの旅』から見るノマド(放浪者)としての生き方!

現在、公開中の映画『ノマドランド』
ノマド=放浪者たちのリアルを切り取ったその内容は斬新で多くの人の注目を集めています。
そんな本作ですが、個人的にどこか既視感を覚えるシーンがチラホラありました。


そこで出てくるのが『はじまりへの旅』という2017年のドラマ映画です。
ヴィゴ・モーテンセンの主演作でもあったことからミニシアター映画ながらもそこそこ話題に。タイトルを聞いたことがある方も少なくないのではないかと思います。
内容としては、10年間森の中で暮らしてきたキャッシュ一家が病院で亡くなった母親の葬式に参加するため都会へと向かうというもの。
父であるベン(ヴィゴ・モーテンセン)が見せる破天荒な旅路の中で子どもたちと衝突し、子どもたちのみならずベンもまた成長を見せていくのが感動的です。


で、『ノマドランド』との共通点はと言えば、一家が“放浪者”である点。
「ホームレスじゃなくてハウスレス」というセリフは『ノマドランド』でも印象深いセリフ。
そのセリフは『はじまりへの旅』のキャッシュ一家にも言えることです。
定住する土地こそないものの、安住の場所はある生き方は、両者ともに共通しています。
「どこに住むかではなく、どのように生きるか」それをテーマとしているのは作品の共通したテーマであったと言えるでしょう。




逆に、この両作で大きな違いとなっていたのが、1人であるか家族であるかの違いでした。
ノマドランド』のファーンは、基本1人で行動し、生活しています。
対して『はじまりへの旅』のキャッシュ一家は父1人、子6人という大家族の生き様を見せていました。
その違いがもたらす効果はドラマの描き方。
ノマドランド』の方では、ノマドの暮らしの中で生まれる人とのつながりや孤独をドキュメンタリーチックに浮き彫りにしていますが、『はじまりへの旅』ではベンと子どもたちの関係をドラマティックに表現。
登場人物の多さ&個性を通して、子どもたちのみならずベンの成長も描く手法は秀逸でした。


どちらも甲乙付けがたい素晴らしいことは言うまでもありません。
「こういう生き方や幸せがあるんだな」という感想を抱くことのできる素敵な作品ですので、ぜひセットで見たくなる作品ですね。