今回はクリストファー・ノーラン監督の最新作『オッペンハイマー』の公開日が決まった話題。
この作品、内容が原爆の父オッペンハイマーの物語である事もあってか、日本ではなかなか公開が決まらず。映画ファンの間では「公開しないのでは?」と、畏怖されたりもしていました。
それが本日、公開日が決定。2024年3月29日になりました。
という事で今回は、クリストファー・ノーラン監督の作品、アメリカ公開日と日本公開日のこれまでの差について比較をしてみました。
クリストファー・ノーラン監督作品公開日一覧
タイトル | アメリカ公開日 | 日本公開日 | 差 |
---|---|---|---|
フォロウィング | 1999年4月2日(※1) | 2001年12月8日 | 764日 |
メメント | 2000年9月3日 | 2001年11月3日 | 426日 |
インソムニア | 2002年5月24日 | 2002年9月7日 | 106日 |
バットマン ビギンズ | 2005年6月15日 | 2005年6月18日 | 3日 |
プレステージ | 2006年10月20日 | 2007年6月9日 | 232日 |
ダークナイト | 2008年7月18日 | 2008年8月9日 | 22日 |
インセプション | 2010年7月16日 | 2010年7月23日 | 7日 |
ダークナイト ライジング | 2012年7月20日 | 2012年7月28日 | 8日 |
インターステラー | 2014年11月7日 | 2014年11月22日 | 15日 |
ダンケルク | 2017年7月21日(※2) | 2017年9月9日 | 50日 |
TENET テネット | 2020年9月3日(※3) | 2020年9月18日 | 15日 |
オッペンハイマー | 2023年7月21日 | 2024年3月29日 | 252日 |
※1 最速はイギリスの1999年11月5日
※2 最速はフランスの2017年7月19日
※3 最速はイギリスの2020年8月26日
以上が、日本とアメリカのクリストファー・ノーラン監督作の比較です。
評価されるようになったのは『インソムニア』辺り。それまでほとんど年単位で公開されてこなかったのが、公開まで106日となっています。(『メメント』の評価が高かったのも影響があったのではないかと思われます)
やはり転換期となったのは『バットマン ビギンズ』。ここで、公開までの差がほとんどなくなるようになり始めました。
ただ、次作『プレステージ』では、232日と大きな差が開くことになっているのを見ると、バットマンのブランド力もあったのだと思います。
そういう意味ではノーラン監督の名が知れ渡ったのは『インセプション』になるのかもしれません。公開まで7日と、ほぼ日本同時公開。
それからは、大きく話題にならないくらいには公開期間は安定。『ダンケルク』で50日と少し遅れが。これ、正確な理由をよく知らないのですが、やはり原爆投下の8月6日、9日の影響があるのではないかと考えられます。(アメリカと同時公開するとガッツリ被りますから)
前後の『インターステラー』、『TENET テネット』が両方とも15日と考えても、「戦争映画」というジャンルが何かしらの影響を与えたのは確かでしょう。
で、今回の『オッペンハイマー』。
なんと公開までは252日。ここまでの差が出たのは『プレステージ』以来。
とは言っても理由は先述した通り、原爆を扱った内容であるため。
では逆に何故、今の時期に公開が決まったかと言うと賞レースを意識してかと思います。
つい先日発表されましたアカデミー賞では最多13部門にノミネートされるなど、何らかの賞を受賞するのは確実。となれば、その近くで公開するのは必然かと思います。(日本時間3月11日がアカデミー賞発表)
良くも悪くも興行を重視した結果の252日と言えるのでしょう。
という事で今回はクリストファー・ノーラン監督の作品を振り返ってみました。
意外だったのは監督デビュー作『フォロウィング』でも一応劇場公開はあったっぽい事。
それと作品によっては再上映が数度あったりして、ノーラン監督の人気が窺えました。
なんにしても劇場公開が決まって一安心。
公開日の3月29日まで気長に待つとしましょう。